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new vegas ~Traveling Outsider~ #2 銃声
2010年 11月 17日 (水) 23:59 | 編集
ミッチェルの指定した店は診療所から出てすぐにあった。
殺風景な砂漠に不釣り合いなネオンの看板と酔っ払いが店前にいて、すぐにそれと判る。

「若いの、見ない顔だな。あぁ、ドクのところの患者か」

入口の酔っ払いのじいさんが話し掛けてきた、俺は適当なところで話を切り上げる。
昔話を聞き始めたら日が暮れちまう…
01.jpg
店内に入ると要件の人物はすぐに分かった。
サニーと名乗る女性はこの街のガード(用心棒)をしているらしい。
彼女は銃を俺に手渡すと、

「それじゃさっそく始めましょ、その散弾銃は使ったことないでしょ?状態いいものね」

図星。これはハッタリ用で使ったことがない。丈夫なものらしいが…壊れてても事足りていた。
小さな村とは言え厄介事をやりくりしてきたのだろう、いい目利きをしている。

「それに散弾は的に近づかなきゃいけないでしょ?あなたではまたドクの世話になってしまうわ。」

…嫌味、だな。


サニーは銃の取り扱い(銃は戦前の民間狩猟用で小口径だが使いやすかった)と、
サバイバル方法(トカゲステーキ、焼きかまきり…あとはドラックの作り方…)を教えてくれた。
俺だってガキじゃあるまいし、ある程度は知っているし、銃だって…まぁ、初めてじゃぁない。
ある程度飲み込める、それよりも…

「サニー、それで本当の要件を聞こう。愛の告白ならいくらでも嬉しいんだが」
「まぁ、そうね、このトカゲ狩りで私が恋に落ちるほどウブならそうしてるんだけど」

サニーはさらっと返しながら続けた。

「キャラバン(商隊)の生き残りをかくまってるの。ギャングに襲われたね。」

…あぁ、聞かなきゃよかった。

「連中はそいつを引渡せと言っているけど…その後どうせ『たかって』くるわ。一緒に退治して欲しいの」
「そいつは名案だ」

俺はまた死ぬかもしれん。


町の情勢は微妙だった。抗戦に賛成の者、反対のもの。どちらとも判断つかないもの。
しかし、キャラバンを裏切ればこの街の流通も厳しくなる。
かと言って付近をたむろするギャングに盾突くには重い腰が上がらない。
そこに俺が現れた。町の為に働いてくれて、しかも潰しがきく。
俺は失敗しても「こいつにそそのかされた」という羊の役もあったのかもしれない。
サニーは俺が腕利きだと風潮して、住民を説得。ギャングの追い払いに乗り出したのだ。

リンゴと名乗ったキャラバンの生き残りの男、サニー、俺が先頭に立ち、
村のはずれに集まったギャングに奇襲をしかける。
他の村人が援護と撃ち漏らしたやつの相手をする。簡単なプランだ。

町のはずれに4人のブルーの服の男が見える。
一人はプロテクターを着ている防弾かもしれない、仕留めるなら頭だ。

もう…やるしかない。

ライフルの射程内まで気づかれないように近づき…発射っ!
俺の発砲を気にリンゴとサニーが飛び出す。
ギャングは一人、二人と続けて倒れた。流石に奴らも町側が先に打つとは思ってみなかったろう。
最後の一人がピストルを抜くのが見えたが、ピストルではここまでは届かない。
ヒュンと高い音が耳の脇を通るが冷静に俺は…引き金を引いた。

もう一度良く狙い…発射っ!

右腕に命中…拳銃を吹き飛ばされ、もう勝てないと思ったのか逃げ帰っていく。
俺は銃を下したが、サニーが俺の脇から銃を構えその背中を打ち抜いた。

渇いた発射音の余韻のあと、彼女は笑顔を俺に向けた。


プロスペクター・サルーンに戻った俺達は、マスターにビールを頼み一杯飲んだ。
別段後味の悪さはない、これがこの世界の生き方。
やらなければやられるんだ、そう俺を消そうとしたやつもそう思っていただろう。

「ねぇ、あんたどうするの?」

サニーが尋ねる。
俺は黙った。

「そうだな…よそ者は用済みだろ?すぐにも出て行くよ」

すると、サニーは静かに話を続ける。

「確かにあなたを利用したわ、生き倒れを助けて、町が助かれば安いものよ。
でもね、今度は町があなたに助けられた。あなただって利用されているのが
判っているのに、リンゴをギャングに引渡すこともせずに戦ってくれた。
確かにあなたはよそ者だったかもしれないけど、もう違う。
町の仲間だわ…ねぇ、ドク。」

と言うとミッチェルがいつの間にか扉を開けて入ってくる。

「そうさ。たまたま助けただけだが、これも何かの縁というやつさ。
出会って助け、そして私のPip Boyを渡す相手だともね。」


その晩、近くの民家で一泊し、俺は結局仇討の相手を探すことにした。
この荒れた大地で久々に親切に触れた、だがやっぱり俺はここに留まることはできない。
殺されかけた理由も相手も、知りたいことばかりだ。
ここにいれば楽しいかもしれないが、好奇心と復讐心を抑えきれなかった。

昨日撃った引き金の感触と撃たれた時の記憶が俺を掻き立てる。

「サンキュー、ドック・ミッチェル。また死にかけたら頼む」
「あぁ、アディオスアミーゴ。いつで帰っても来い、生き返らせてやる」

ミッチェルに見送られながら俺は南へ足を進めた。
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